競技

2023/02/16

【REPORT 第11次アルペン競技(ジュニア)タレント発掘育成事業遠征】世界ジュニア選手権参戦

第11次アルペン競技(ジュニア)タレント発掘育成事業遠征の概要はこちら

世界一への登竜門と言える世界ジュニア選手権は、スキーの発祥地ともいえるオーストリア・サンアントンにて世界41か国から選手が集い開会しました。

日本からは、直江 優作ゆうさく(小樽双葉高校3年)、鎌田 宇朗ねお(角館高校2年)の男子2名が出場しました。


世界ジュニア選手権にて

最初のレースまでの2日間はトレーニングを行い、大会コースの真横に設定された練習バーンでノルウェー、フランスなど強豪国との合同トレーニングを行うことができ、選手たちも良い刺激を受けたことと思います。

ヨーロッパでの記録的な雪不足によりコースは100%人工雪であり、放射冷却により硬く締まった雪質でした。その上、スタートからゴールまでアンギュレーション・コンプレッション・S字・片斜面といった、変化に富んだ難易度の高いコースはヨーロッパならではです。


トレーニングのようす

最初の試合となったGSでは、直江選手がゼッケン62番から51位(タイム差10.30秒)、鎌田選手は110番から61位(タイム差12.29秒)となり、U18年代では直江選手が見事3位に入り世界大会での入賞を果たしました。また、鎌田選手も7位に食い込むことができました。




スタート前の直江選手

GSの試合から3日後に行われたSLでは、事前の調整も順調に進んでいたものの厳しい結果となりました。独特のコースセットで、出場選手140人中、2本目の完走者は44人のみでした。

直江選手が1本目に7秒差となり2本目に巻き返しを狙いましたが、ゴール直前でコースアウト(DQ)、鎌田選手は、31位となり、U18年代でも5位に入ることができました。しかし、鎌田選手と優勝者とは12.5秒という差があり、世界上位との差をはっきりと見せつけられたものとなりました。

今年の世界ジュニア選手権は同時期にワールドカップやユニバーシアード、ファーイーストカップなどの国際大会が開催されていることで、選手たちはどのレースに出るのかを自身の目標やプランと照らし合わせて戦略的に選択し参戦しています。そのため今回はFIS1~2年の目の、若手の選手のみの派遣となりました。しかしジュニア年代からの世界との差を目の当たりにし、日本国内における底上げと育成、そして海外でのトレーニングおよびレース経験の重要性を強く感じました。


競技別強化拠点である菅平の有効活用はもちろん、各地域での強化も進めることができるようコーチ制度の整備、そして育成した選手に経験を積ませるためのジュニアチームといった、全ての面での制度と環境の整備が急務であると考えます。

報告: アルペン委員会 委員長 渡辺 淳浩
アルペンチーム 男子コーチ兼国内強化コーチ 安食 真治

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