競技

2023/06/06

【REPORT 第1回クロスカントリー合宿】

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2023/24シーズンのU20強化指定選手(候補)を対象とした体力測定を、5月20日、25日、26日の3日間に分けて日産スタジアム内にある横浜市スポーツ医科学センターにて実施しました。

現状のコンディションを知り、昨シーズンのトレーニングの成果や、次のシーズンまでの課題を明確にするため、形態計測・体組成測定・筋力測定・ポールウォークでの最大酸素摂取量測定を実施しました。

昨シーズンFISレースで勝負強さを発揮した池田遼一選手(東洋大)は高強度領域(Intensity5)での向上がみられており、シーズン中も体力が維持できた結果、昨年よりさらにトレーニングを積める良い状態でオフシーズンをスタートすることができることがわかりました。さらに筋力の向上が見込まれると、さらなるスピードアップが狙えると感じています。

筋力測定を行う池田遼一選手筋力測定を行う池田 遼一りょういち 選手

高校選抜スプリントを制した高畑歩選手(花輪高)は有酸素性作業能力がやや低く、運動中の血中乳酸がやや高い状態にあることがわかりました。血中乳酸が産生されない低強度での有酸素トレーニングをしっかり行っていく必要があり、特にIntensity1の心拍数に注意してトレーニングを積むことで、強みである高強度領域(Intensity4,5)でのパフォーマンスがさらに活きてくると思います。十分な筋力を有していることから、スプリント種目での活躍が期待できると感じています。

筋力測定で高い値を記録した高畑歩選手筋力測定で高い値を記録した 高畑 あゆみ 選手

インターハイを制した山口蓮太選手(鶴来高)も高畑選手同様に有酸素性作業能力がやや低く、運動中の血中乳酸がやや高い状態であったので、Intensity1の心拍数に注意してトレーニングを積むことが必要となります。高強度領域(Intensity4,5)、筋力共に良い結果が出ていたので、Intensity1の強度領域を改善することでさらなるレベルアップが図れると感じています。

測定後の乳酸を測る山口蓮太選手測定後の乳酸を測る 山口 蓮太れんた 選手

女子で1年生ながら高校のタイトルを獲得した松沢意選手(飯山高)は、速度と斜度が徐々に上がっていくステージの中で最初から乳酸が高い状態で最後まで追い込み切れない結果となりました。初めての測定ということも影響していたと思いますが、今後はIntensity1の心拍数に注意してトレーニングを積むことが必要となります。また高強度領域(Intensity5)でのトレーニングの際は、その領域まできちんと心拍数を上げて持続させることが目標となります。筋力はシニア選手も含めて過去の女子クロスカントリースキー選手の中で一番高い値でしたので、有酸素作業能力を高めることで更なるパフォーマンスアップが期待されます。

ポールウォークでの最大酸素摂取量を測定する松沢意選手ポールウォークでの最大酸素摂取量を測定する 松沢 こころ 選手
トレッドミルを使用しての測定でしたが、最後は傾斜がかなり急になりますトレッドミルを使用しての測定でしたが、最後は傾斜がかなり急になります

データ解析の結果、今回の4選手に共通することはトレーニング時の心拍数の管理、特に低強度領域(Intensity1)での強度管理(心拍数のコントロール)が必要であることがわかりました。この点を改善することで自分自身がさらにレベルアップできるということを認識し、厳しくも理にかなったオフシーズンのトレーニングを行っていきたいと思います。

春の早い段階でこのような測定を行うことで先シーズンの成果、現状、オフシーズンへの課題が明確になる部分もあるので、毎年行うことが必要であると改めて感じました。
次回測定は秋に予定しておりますが、それまでは今回のデータをもとに算出した心拍レンジに沿ってトレーニングに取り組みたいと思います。

U20チームは最大のターゲットであるジュニア世界選手権に向けて活動を行っていきますので、引き続きご声援よろしくお願い致します。

報告: クロスカントリーチーム(U20担当) 恩田 祐一

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