競技

2014/12/01

【REPORT スキージャンプ】練習不足なんのその
葛西渾身の145m、最長不倒で最年長優勝更新

 28日、29日、フィンランドのルカで行われたワールドカップ・ジャンプ第3戦、第4戦で葛西紀明選手(土屋ホームスキー部)がジャンプ史上最年長となる42歳5か月で優勝を飾った。
 第3戦で1本目5位につけた葛西選手は、2本目136.5mとラウンド2位を記録して3位に入賞、続く第4戦では1本目に最長不倒距離となる145mの大ジャンプをマークして大きくリード、2本目は追い風に苦戦しながらも131.5mにまとめスイスのシモン・アマンと並ぶ優勝を飾った。昨年のワールドカップでも優勝した葛西選手は、最年長優勝記録を更新、フラワーセレモニーではアマンが葛西選手の前で膝をついて敬意を表し、レジェンド、レジェンドと連発した。
 オリンピックで銀メダルを獲得してから公私ともに多忙を極め、「例年の半分程度しかトレーニングできていない」と出発前に語っていたが、開幕戦から個人戦3戦で6位、3位、1位という成績は、まさにレジェンド。
 悲願のワールドカップ総合優勝、そして2月に行われる世界選手権大会でも金メダル獲得も見えてきた。
 

練習不足の中、1本目に145mの大ジャンプを決めてみごと優勝を飾った葛西選手。最年長優勝の記録を更新した

第3戦では2位伊東選手、3位葛西選手と2人の日本選手が表彰台に立った

 

 
 同じく、伊東大貴選手(雪印メグミルクスキー部)もけがのリハビリのためトレーニング不足だったが、第3戦では138m、137.5mと安定した飛距離を揃えて2位に入り、葛西選手とともに表彰台に立った。
 この2人にサマージャンプで好調だった竹内択選手(北野建設スキークラブ)、若い清水礼留飛選手(雪印メグミルクスキー部)が調子を上げてくれば世界選手権団体の金メダル獲得の可能性も高まってくる。
 スタートよく飛び出した男子ジャンプ陣、そしてレジェンド葛西選手。今後もその活躍に目が離せない。

 

■第3戦 HS-142m 11/28 Ruka(FIN)

Rank Name Nat 1st 2nd Jud.point Total
1 AMMANN Simon SUI 139.5m/95.1 142.0m/99.6 48.5/53.5 284.1
2 伊東 大貴 JPN 138.0m/92.4 137.5m/91.5 57.0/57.0 276.1
3 葛西 紀明 JPN 131.0m/79.8 136.5m/89.7 54.5/56.0 270.5
22 竹内 択 JPN 127.5m/73.5 123.0m/65.4 54.0/54.0 232
38 小林 潤志郎 JPN 116.5m/53.7   52.5 93.1

■第4戦 HS-142m 11/29 Ruka(FIN)

Rank Name Nat 1st 2nd Jud.point Total
1 AMMANN Simon SUI 135.5m/87.9 144.0m/103.2 55.0/51.0 272.2
1 葛西 紀明 JPN 145.0m/105.0 131.5m/80.7 50.5/55.5 272.2
3 FREUND Severin GER 135.0m/87.0 137.5m/91.5 55.5/57.0 268.7
18 伊東 大貴 JPN 124.5m/68.1 128.0m/74.4 54.5/54.5 220.2
36 小林 潤志郎 JPN 113.5m/48.3   50.5 79.6
37 清水 礼留飛 JPN 112.0m/45.6   50.5 79.1