競技

2015/01/05

【REPORT フリースタイル】モーグルチーム遠征
遠藤尚が連続表彰台、そして男子初の世界ランキング1位に

2大会連続で表彰台に立ち、世界選手権大会へ向けて安定したレースぶりは期待を抱かせる

もう目指すところはひとつだけとなった遠藤選手

 

 

 新年早々の2015年1月3日、カルガリー(カナダ)で行われた第2戦ワールドカップで、遠藤尚(忍建設スキー部)が初戦のフィンランド・ルカ大会の2位に続き3位となり、表彰台に立った。気温マイナス20度、どんよりとした曇り空のもと行われた今大会は、前回開幕戦のルカ大会がデュアルモーグル大会であったため、採点方式が30点満点から100点満点に変更されて初めてのモーグル競技会であった。日本チームは開幕戦から参加している女子の星野純子、伊藤さつき、伊藤あづさ、岩本憧子、男子の遠藤尚、西伸幸、吉川空、堀島行真、田中陸也に加え、12月のコンチネンタルカップで表彰台に立ちワールドカップ出場の権利を獲得した渡辺大晴、原大智の2名のジュニア選手が加わり、総勢11名が試合に参加した。

 遠藤はスピードに乗ったダイナミックな滑りで、予選をトップで通過した。決勝1本目では第1エア後にわずかにドリフトしたこと、ミドルセクションの斜度変化でターンが乱れたこと、そして第2エアのクロスがわずかに小さくなったために4位となった。そして最終的に順位が決定するスーパーファイナルでは、勢いに乗りキレのあるターンでコースを攻めたが、第2エアのランディングのわずかなミスで3位となった。

 試合後、遠藤は「試合では、思い描いていたプラン通りに滑ることができた。」と言いつつも、「“今期初のシングルレースで優勝”という目標を立てて臨んだ試合だったので、結果として3位となったのは悔しい。しかし今回3位となり、狙っていたイエロービブ(種目別総合ランキング1位)を獲得できたことは嬉しい。次の試合に向けてコンディションを整え、次も表彰台を狙っていきたい。」と語った。

 12位で日本人女子選手のトップフィニッシャーとなった星野純子(チームリステル)は、「新しい採点方式の最初となるこの試合で結果を出したかったのだが、予選、決勝1本目とともにミスをしてしまった。わずかなミスで大きく点差が開いたことはショックだったが、しかしミスの程度とマイナスされる点数との関係が感覚的にわかったことは、大きな収穫だった。次の試合ではミスをしっかりと修正する。今回の滑りでステップアップできたと思う点は、大きく気持ちよく飛べた第2エアのコーク7の完成度が高まっていること。課題はたくさんあるので、これからもしっかり向き合って頑張りたい。」と語った。

 そして前回の遠征に引き続き選手を指導する上野修コーチは、「遠藤尚が表彰台を獲得し、西伸幸、星野純子も決勝に進出したので、1つの目標は達成できた。しかしチームの半分以上の選手が予選落ちをしている現状では、まだ課題が多くあると感じる。世界選手権に向けて残り2試合、チーム一丸となって結果を残したい。」と語った。

 日本チームの次の試合は1月9日~10日にディアバレー(アメリカ)においてモーグルとデュアルモーグルの2戦に参戦する。

 

報告/モーグルコーチ 小林 茂

 

 ワールドカップ・カルガリー大会 モーグルリザルト

男子http://data.fis-ski.com/dynamic/results.html?sector=FS&raceid=7922

女子http://data.fis-ski.com/dynamic/results.html?sector=FS&raceid=7921