競技

2024/03/04

【Report 第1次アルペン(ユース)遠征】アルプチンブラ参戦

第1次アルペン(ユース)遠征の概要はこちら

ALPECIMBLA FIS CHILDREN CUP(イタリア)大会は、世界約40ヵ国から選抜されたU14/U16のユースの選手が集う、ユース世代のビックイベントと言える大会です。日本からはU16のカテゴリーで男女各2名がエントリーしました。
過去にこの大会で活躍した各国の選手は数年後にワールドカップをはじめとする様々なトップカテゴリーの大会で活躍しており、世界を目指すユース世代の選手にとっては世界への登竜門とも言える大会です。
今回は元ナショナルチームコーチの 岡田 つばさ 氏と、平昌オリンピックにも出場し現在ジュニアの育成に尽力する 石川 晴菜はるな コーチという、経験豊富な2名のコーチに帯同していただきました。

飛行機のスケジュールの関係で予定よりも1日早く現地に到着した選手団でしたが、その日は近くのスキー場で女子のワールドカップGSが行われていたため、全員で世界最高峰のレースを観戦することができました。自分達が夢に描いている舞台を実際に見たことで、より現実的な目標へと変わったことと思います。

クロンプランツ(イタリア)にてワールドカップ女子GSを観戦

また今回は、初日のミーティングの際に「優勝を狙いに行く」という事をコーチから選手に伝えてレースに挑みました。
緊張している初日のミーティングで「優勝」と言うワードが出てきて選手達も驚いた様子でしたが、U16世代は十分にチャンスがあると感じていたため敢えて言葉にして伝えました。
また、国内のレースとの違いは何かということについても触れ、様々な国から沢山の選手・色々な言葉があるのが海外レース、それに慣れてないから日本人は緊張してしまうということも伝えました。
レースまでに必要のない緊張感を一つずつ消していく様に心がけ、コーチと選手がたくさんのコミュニケーションを取ったことでレースまでの短い準備期間でしたが緊張感は最小限に整え挑むことができたと思います。

開会式では、選手たちがパレードで行進した

雪上ではスキーの反応が速い雪質や斜面変化にやや苦戦している様子で、海外の選手との違いはこういった「かたい雪質や斜度、斜面変化のあるコースを日常的に滑っているか」「対応できる滑り方が日頃の練習から身についているか」の違いであると感じました。

特に女子のGSは技術面での差を感じます。男女SLはミスが響いたものの、技術面には引けを感じず、表彰台を狙えたと感じています。

インスペクションをする 伯谷 悠樹ゆうき 選手(札幌市立藻岩中学校)
スタートを待つ 渡辺 悠翔はると 選手(長野日本大学高校) GSでは1本目4位につけ、実力を発揮してくれた

今後の改題としては、若い選手ほど海外のレースの雰囲気に圧倒されていた様子を感じます。そして選手自らが疑問に感じたことを積極的に質問し解決できる選手とそうでない選手に分かれていました。今回の経験を経てメンタル面の成長も期待しています。

さらに他の海外の選手達は今後さまざまな国のチルドレンカップを転戦していきます。島国である日本の選手にとってこのレースが他国の選手と競うことができる貴重な機会となっています。
こういった機会が今後も増えていくことでユース世代から海外レースが身近なものになっていき、世界で戦うための土台となると感じました。

今回のクラウドファンディングを通して多くの方々にご支援いただいたおかげで貴重な経験を積むことができました。今回は4名の選手全員が悔しい思いをしたと同時に、手応えを掴み帰国しております。
このような素晴らしい機会を提供していただいた JCOM株式会社様一般社団法人ジャスト・ラビング・スキー様、そしてご支援いただいた皆様に、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。
引き続きユース選手の活躍と成長も見守っていただけますと幸いです。応援よろしくお願い致します。

レースを終え、悔しさと手応えを同時に得た選手たち

報告: 岡田 つばさ
石川 晴菜はるな
アルペンチーム ヘッドコーチ 安食 真治まさはる