競技

2024/03/07

【Report アルペントレーニングセミナー】

今年は8月26日の東海北陸会場を皮切りに、夏季4会場(オンライン含む)、冬季2会場にてアルペントレーニングセミナーを下記の内容で開催いたしました。
なお、このセミナーは「スポーツ振興くじ助成金」を受けて実施しております。

1. 目的

トレーニングの知識を深め、年代毎に必要な要素を理解し、フィジカル強化によるアルペンスキーでの競技力向上を目指す。
スキーアルペンナショナルチームが実施しているフィジカルテストを共有し、日本全体のフィジカルレベルの向上及びトレーナー指導者との連携を図る。
ナショナルチームのコーチから直接指導を受けられる機会を作ることで、技術についての理解を深め競技力向上につなげる。

2. 開催場所

  1. 東海北陸会場(岐阜県高山市) 概要
  2. 関東会場(東京都北区) 概要
  3. 北海道会場(北海道札幌市) 概要
  4. オンライン(北海道会場と同時開催) 概要
  5. スピード系(北海道旭川市) 概要
  6. 菅平会場(長野県上田市) 概要

3. 主催

公益財団法人全日本スキー連盟 アルペン委員会

4. 講師

  • 安食あじき 真治まさはる(全日本スキー連盟アルペンヘッドコーチ)
  • 工藤くどう 昌巳まさみ(全日本スキー連盟アルペン女子チーフコーチ)
  • 柏木かしわぎ 久美子くみこ(全日本スキー連盟アルペントレーナー)
  • 中里なかざと 浩介こうすけ(全日本スキー連盟情報・医・科学部、北見工業大学 准教授)
  • 栗田くりた 興司こうじ(Physical Conditioning Production合同会社コンディショニングコーチ
    リアラインイノベーション研究会副理事長)
  • 石井いしい 智也ともや(株式会社ゴールドウイン)
  • 本田ほんだ 浩樹ひろき(サンミリオンSC)
  • その他(アルペン委員会専門委員、他)※担当講師は会場により異なります

5. 夏季セミナー内容

  1. ナショナルチームにおける雪上トレーニングの取り組みナショナルチームコーチより雪上トレーニングの取り組みについて、シーズンまでのプランやシーズン中の動きなど具体的なスケジュールやターン数を例に説明を行いました。
  2. アルペンスキーにおける外傷・傷害・セルフケアについてトレーナーの柏木久美子氏よりアルペンスキー競技を行う上で特に注意が必要な外傷や傷害についての説明とセルフケアの実技指導を行いました。

  3. 体力測定について(アイアンマンテスト解説)中里なかざと 浩介こうすけ 氏よりアイアンマンテストの成果について紹介がありました。
    併せて正しくテストを行う上の注意点や効果についても改めてご説明いただきました。
  4. アルペンスキーに必要なフィジカルトレーニング栗田くりた 興司こうじ 氏よりフィジカル強化の重要性とコンディショニングとの関係性についてご説明いただき、正しい体の使い方を意識するためのエクササイズの紹介がありました。





6. 冬季セミナー内容

  1. スピード系トレーニングユース世代の選手を対象に、講師に平昌オリンピック代表の 石井いしい 智也ともや 氏と全日本選手権で5度の優勝を果たしている 本田ほんだ 浩樹ひろき 氏を講師に迎え「世界で活躍するために」のテーマのもとスーパーGのトレーニングを行いました。普段なかなかトレーニングをすることのできない種目であることから、グループに分かれてクローチングや基本ポジションの指導を徹底し、2日間とも良いコンディションの中、貴重な時間を過ごしました。



  2. 菅平会場1日目は小学生、2日目は中学生以上の選手を対象に大回転のトレーニングを行いました。工藤くどう 昌巳まさみ 氏がメインコーチとして参加者に丁寧に技術を説明し、蓮見はすみ 小奈津こなつ 氏がアシスタントで参加者をサポートしました。参加者の方々は普段とは違うターンのタイミングや動作にも積極的に挑戦してくださいました。




7. 所感

昨年フィジカル強化についてのマニュアルを作成したことで、フィジカル強化に対する重要性がより各地域にも伝わったと感じています。しかし正しい運動やケアといった部分は継続した教育が必要と感じているのも事実です。そのため今年は昨年の内容を継続しながらもより「正しい動き」にフォーカスして事業を行いました。

また昨年より多くのリクエストをいただいていた雪上での講習会についても今年は開催することができ、参加者の皆様より大変好評をいただいております。これまでナショナルチームのコーチが直接指導する機会を作ることができずにおりましたが、雪上でのコミュニケーションを通して直接的な技術へのアプローチにも繋げることができました。参加者の方々の積極的な受講姿勢を拝見し、来季以降も可能な限り継続して実施することの必要性を強く感じています。

普及・育成・強化のサイクルを築くためには情報伝達が選手や指導者の両者にとって重要であるため、今後も計画的に開催していけるよう努めて参ります。

今回開催の機会を頂けたことに心より感謝いたします。また各地域のアルペン委員会専門委員の皆様にもご協力いただけたことで多くの方にご参加いただき、広く情報を発信することができました。今後も皆様よりいただいたご意見を参考に、情報発信や教育の機会確保に努めて参ります。

報告: アルペンチーム セクレタリー 須貝すがい 未里みさと