競技

2015/03/05

【REPORT スノーボードHPチーム遠征】
3年後の為の経験を得たワールドカップ参戦

 SB HPチームは各選手のベースアップを図る事を目的とし、今期新規加入した強化メンバーを中心に試合参戦の遠征を行った。今回はワールドカップ2戦への参戦予定が、カナダ・ストーンハム戦が直前でキャンセルとなり、アメリカ・パークシティー戦1戦に照準を絞って臨んだ。カナダ戦が中止になった事で時差並びに標高への対応の為、早めに現地入りし試合に向けたコンディショニング調整を行った。

 試合会場となったパークシティーは2002年ソルトレイクオリンピックの競技会場となった場所でもあり、この度のハーフパイプにおける試合環境、試合運営においてもとても素晴らしいものであった。

 今回参加した選手は女子・大江光選手1名と男子・子出藤歩夢選手、片山來夢選手、今井郁海選手の男子3名で臨んだ。本大会には開催国のアメリカの選手に加え、スイス、中国からも強豪選手達が参戦しておりレベルの高い試合となり、我々は挑戦者の気持ちで3日間の公式トレーニングに臨み試合に向けた調整、準備を進めた。

 予選から各国の選手達も高さを出した完成度の高い演技で臨んで来ており、予選通過にも油断をできない状況となった。女子・大江選手は今期シーズン最初から取組んできた技を予選から組み込み予選突破を狙ったが、高さ、完成度がもう少し足りず9位で予選敗退となった。男子予選1組に出走した子出藤選手は演技を決めるも着地での細かなミスが高さに繋げられず点数を伸ばす事ができなかった。

 今井選手は高さのある技を繋ぎ良い流れで演技を進めるも最後の技の着地で転倒してしまい予選を通過する事ができなかった。男子2組目が始まる頃から激しい降雪により雪が積もりスピードが出にくい厳しい状況下での演技を余儀なくされた。片山選手はスピードをつけて突っ込むも本来のスピードから得る高さを出せず、とても良い流れの演技を決めるも点数が伸びず予選を通過する事ができず参戦選手全員の予選敗退という厳 しい結果を受ける事となった。

 今回予選を通過した選手達とは演技構成、技の難易度では同等にあるものの、現時点での差は高さと技の完成度にあると分析する。まだまだ試合経験から得る事も多く確実に今後に繋げていかなければならない。また、試合全体においての演技構成が均一化してきている傾向があり、高い精度においての差別化した演技構成、技への取組みを進める必要がある。

 現地入りしてからは今回初帯同となった安岡トレーナーの指導の下、試合に向けた充分なコンディショニングの準備を進める事ができた。各選手、積極的なアップ、ダウン、コンディショニングトレーニング、ケアなどを行い、試合に向けてよりベストな状態を準備をして臨む事の必要性とその方法を学ぶ事ができた。

 今シーズンにおけるワールドカップは本戦を終えて全て終了となり、参戦したワールドカップ並びに世界選手権での全員予選通過を目標として臨んで来たシーズンであったが、結果としては厳しい現実を受けるシーズンとなった。選手達の意識も高く、確実に成長、進歩もしているので、今シーズン得た結果、経験を踏まえ来シーズン以降に向けた準備を早々にとりかかっていく。

 SB HPチームへの多くのご声援、スポンサー様からのご支援に感謝いたします。

報告:SBHPコーチ 治部忠重

2002年冬季オリンピック会場のPARKCITYにて

綺麗に整備されたハーフパイプ競技施設

全体的に雪不足であった競技会場をバックに

公式トレーニング中の子出藤選手、今井選手

スタート前のアップを行う大江選手と安岡トレーナー

コンディショニングトレーニング風景

ケア風景