競技
2024/07/23【Report 第3回スキーハーフパイプ選手発掘プログラム】
2024年7月13日~15日に山梨県のカムイみさか室内ゲレンデにて、第3回スキーハーフパイプ選手発掘プログラムを開催しました。本事業は、スキーハーフパイプに取り組んでいる競技者、または競技者を目指している小学校1年生~22歳のスキーヤーを対象に、技術指導および各種講習を行い、将来競技者として活動する上で必要な技術、知識を伝達することを目的に実施しています。
3回目となった本事業では、雪上技術講習、座学講習、フィジカルトレーニング講習、模擬大会を行いました。これまでの第1回、第2回目の事業同様、雪上技術講習を行う前に、ワールドカップ選手が実際にトレーニングや競技会の前に行っているウォームアップを行いました。ウォームアップの動作の中でフリースキーの滑走の姿勢やスピンの動作を確認しました。
松浦 透磨 選手 によるウォームアップ
雪上技術講習では、コーチがハーフパイプの下から動画を撮影し、参加者はコーチからアドバイスをもらいながら自身の動作やラインを確認し、一本一本集中して練習しました。
動画を撮影するコーチ
有馬コーチによる雪上技術指導
松浦 透磨 選手 による雪上技術指導
1日目の午後は富士吉田市の鐘山総合体育館に移動し、座学講習を行いました。座学講習会ではナショナルチームのコーチが安全に上達するための練習の進め方や意識するポイントなどを説明しました。また、松浦選手からワールドカップ選手の一年間の活動を紹介しました。その後、ジャッジ講習を行い、公認大会におけるジャッジの評価項目を学ぶとともに、これらのジャッジのポイントを踏まえ、翌日の模擬大会で行うランを参加者ひとりずつ、コーチと相談しながら考えてもらいました。
津田 健太朗 コーチ、松浦 透磨 選手 による技術に関する座学講習
松浦 透磨 選手 による選手の年間活動スケジュールの紹介
ジャッジ講習
模擬大会のジャッジ観点を説明する 有馬 尉亮 コーチ
翌日の模擬大会のランを考える参加者
2日目は模擬大会を行いました。模擬大会は公式トレーニングの時間を設けた上で、1人2本のランを行いました。参加者はそれぞれ前日考えたランを実施し、FIS公認資格を保有する講師がそれらのランの採点を行いました。模擬大会終了後は会場を移動し、結果発表とジャッジによるそれぞれのランのフィードバック、今後の練習へのアドバイスを行いました。
模擬大会の結果発表後、ナショナルチームのトレーナーによるフィジカルトレーニング講習を行いました。特殊な器具を使わずにできるトレーニングやストレッチを学び、2日目を終了しました。
模擬大会中の様子
模擬大会の結果発表
中林トレーナーによるフィジカルトレーニング講習
3日目の最終日は、雪上技術講習を行い、2日目の模擬大会の結果からそれぞれの参加者が感じた課題を事前にコーチと共有し、取り組んでもらいました。
寺田 斉史 コーチによる雪上技術指導
課題に取り組む参加者
スキーハーフパイプ選手発掘プログラムは今年度から始めた事業であり、全3回実施しました。各回で参加者を募集し、第1回目と第2回、3回は会場が異なっていたものの、全3回のうち、2回以上の参加してくれた方も多く、コーチと参加者の間で使用する単語や目的に共通認識が生まれていました。これまでの雪上技術講習や座学講習で伝えてきた技術や知識を、参加者が自分自身で考え、理解しているからこそ、より内容の濃い講習ができたと感じます。本事業はスキーハーフパイプの競技者の増加を目的に、今年度初めての取り組みとして実施しました。事業としては、まだ試行錯誤を重ねている最中ではありますが、参加者たちがそれぞれの目標に向かって進むための一助となったならば幸いです。本事業の参加者が近い将来、競技者として競技会で活躍する姿を見るのを楽しみにしています。
報告: フリースタイル ハーフパイプ/スロープスタイル チーム コーチ 高尾 千穂
集合写真