競技
2025/03/11【Report 競技本部 情報・医・科学部】アルペンGS滑走ラインの計測およびサポートの実施について
2025年2月21日から2月26日の日程で、信州菅平高原パインビークスキー場にてアルペンナショナルチームのFEC(ファーイーストカップ)事前トレーニングおよびFEC参戦に合わせ、本連盟競技本部情報・医・科学部の科学/情報部門専門委員がアルペンGSトレーニングサポートのため、滑走ライン・スピードの調査を実施しました。
アルペンGS競技においてはライン取りが重要であることから、GNSSデバイスとビデオカメラを用いて各選手のライン取りやコース全体におけるスピード変化等を調査し、コーチや選手に情報提供しました。
コース脇でのビデオ撮影の様子
ビデオ映像から得られた滑走ライン(画像認識の都合よりスキー板ではなく頭部軌跡を求めています)
各色は異なる選手の滑走ラインを示しています。別日のトレーニングデータ等とも比較し、各選手の滑走ラインの特徴を調べました。同時にGNSSデータから得られたスピードや区間タイムとも照らし合わせながら、ライン取りとタイムの違いなどについて検討しました。
計測結果を基にアルペン安食ヘッドコーチとタイム短縮に向けた方策を話し合っている様子
GNSSデバイスによる計測結果例
計測結果の一例としては、A選手とB選手の当該区間のラップタイムはほぼ同じでしたが、傾向は異なり、A選手は急斜面でB選手よりも相対的に滑走スピードが高い一方で、緩斜面ではスピードが遅い傾向にありました。斜面変化・緩斜面においてタイム短縮の余地があります(急斜面については逆)。
取得した映像データには、即時的に提供できる情報以外にも競技力強化に資する情報が多く含まれている可能性があります。情報・医・科学部において今後も解析を進めていく予定です。
本研究は公益財団法人ミズノスポーツ振興財団助成によって実施されました。この場をお借りして御礼申し上げます。
報告: 情報・医・科学部 石毛勇介・吉岡伸輔・中里浩介