競技
2025/03/13【Report アルペントレーニングセミナー】
今年は夏季1会場と冬季2会場にてアルペントレーニングセミナーを下記の内容で開催いたしました。当初は夏季に東北会場と甲信越会場でも実施する予定でしたが台風の影響で中止となりました。しかしオンラインでの受講に切り替えてくださったことでたくさんの方々に受講していただくことができました。
なお、このセミナーは「スポーツ振興くじ助成金」を受けて実施しております。
1. 目的
トレーニングの知識を深め、年代毎に必要な要素を理解し、フィジカル強化によるアルペンスキーでの競技力向上を目指す。
スキーアルペンナショナルチームが実施しているフィジカルテストを共有し、日本全体のフィジカルレベルの向上及びトレーナー指導者との連携を図る。
ナショナルチームのコーチから直接指導を受けられる機会を作ることで、技術についての理解を深め、スピード系種目のトレーニングを通じて基礎技術の向上につなげる。
2. 開催場所
- 東北会場(山形県最上町) 中止
- 甲信越会場(長野県長野市) 中止
- 西日本会場(岡山県岡山市)及びオンライン 概要
- 冬季スピード系 北海道会場(北海道旭川市) 概要
- 冬季スピード系 甲信越会場(新潟県妙高市) 概要
3. 主催
公益財団法人全日本スキー連盟 アルペン委員会
4. 講師
- 安食 真治(全日本スキー連盟アルペンヘッドコーチ)
- 工藤 昌巳(全日本スキー連盟アルペン女子チーフコーチ)
- 河野 恭介(全日本スキー連盟アルペン男子チーフコーチ)
- 柏木 久美子(全日本スキー連盟アルペントレーナー)
- 中里 浩介(全日本スキー連盟情報・医・科学部、北見工業大学 准教授)
- 石川 祐佑(NSCAジャパンマスターコーチ、甲信越地域アシスタント地域ディレクター)
- 関 理奈(全日本スキー連盟アルペンジュニアチーフコーチ)
- 山川 純子(全日本スキー連盟アルペンコーチ)
- 清澤 恵美子(元日本代表選手、世界選手権代表)
- その他(アルペン委員会専門委員、他)※担当講師は会場により異なります
5. 夏季セミナー内容
- SAJとしての取り組みについて安食真治ヘッドコーチよりチームとして取り組んでいる強化方針やパスウェイの紹介があり、今後のビジョンや課題についての共有がありました。
- アルペンスキー技術と世界で戦うためのナショナルチームの取り組みについて河野恭介男子チーフコーチよりアルペンチームが取り組んでいる技術的な課題とスキーの上での基本的な運動についての講義を行いました。
- アルペンスキー選手のための体力とその測定について(アイアンマンテスト解説)中里浩介氏よりアイアンマンテストの成果について紹介がありました。またこれまで取り組んできて見えたフィジカル面での課題についても紹介がありました。
- 競技力向上を目的としたトレーニングエクササイズに対する考え方について
- アルペンスキー選手に必要なスクワットエクササイズの実施方法について石川祐佑氏よりフィジカル強化の重要性と目的ついてご説明いただき、正しい体の使い方を意識するためのエクササイズの紹介がありました。特にスクワットは滑走技術にも大きく影響する運動であることから実践を交えて実施しました。
- アルペンスキーにおけるパフォーマンス向上、外傷・傷害予防のために知っておきたいこと柏木久美子トレーナーよりコンディショニングの重要性とパフォーマンスへの影響についての説明があり、実技を通して体の変化を感じていただきました。
- スピード系トレーニング北海道会場ユース世代の選手を対象に、講師に長野オリンピック代表の山川純子氏とアジア大会で金メダルを獲得している清澤恵美子氏を講師に迎え、「スピードに慣れる」のテーマのもとスーパーGのトレーニングを行いました。普段なかなかトレーニングをすることのできない種目であることから、クローチング姿勢の改善やハイスピードの中での自己判断力の向上を目指し、イメージ力を高めることで実践での動きの改善につなげていきました。
またトレーナーによる雪上でのウォームアップの講習も行いました。
- スピード系トレーニング甲信越会場降雪が多く安全面を確保しながらのトレーニングとなりましたが2日間を通してクローチングの姿勢や大きなターンでのスキー操作や体の使い方、ラインどりについて重点的にアドバイスをしながらのトレーニングとなりました。またスタート時のストックをつく位置など、細かい部分も意識しながら状況に合わせた滑りを心がけました。




6. 冬季セミナー内容
7. 所感
2年間フィジカル強化についてのセミナーを実施してきたことで、フィジカル強化に対する重要性がより各地域にも伝わったと感じています。しかし正しい運動やケアといった部分は継続した教育が必要と感じているのも事実です。また各地域からより具体的な内容を求める声が届いていたことから、今年はこれまでの内容を継続しながらもより実践に近い内容にフォーカスして事業を行いました。
また、昨年より開催している雪上での講習会についても今年も開催することができ、日本ではなかなか実施することのできないスピード系のトレーニングを行うことで、参加者の皆様より大変好評をいただいております。参加者の方々も積極的に質問したりアドバイスを求めてくることもあり、選手の皆さんの真摯な取り組みを見て来季以降も可能な限り継続して実施することの必要性を強く感じています。
普及・育成・強化のサイクルを築くためには情報伝達が選手や指導者の両者にとって重要であるため、今後も計画的に開催していけるよう努めて参ります。
今回開催の機会を頂けたことに心より感謝いたします。また各地域のアルペン委員会専門委員の皆様にもご協力いただけたことで多くの方にご参加いただき、広く情報を発信することができました。今後も皆様よりいただいたご意見を参考に、情報発信や教育の機会確保に努めて参ります。
報告: アルペンチーム セクレタリー 須貝 未里
