競技

2015/11/02

【REPORT 第2次フリースタイル・モーグル遠征】
基礎技術(ターン・エア)の習熟と総合滑走力の強化を目指して

 モーグルの強化指定選手14名は、9月24日(木)~10月21日(水)まで、スイス・ツェルマットにて、第2次フリースタイル・モーグル遠征に参加しました。

 オフシーズン3回目となる今回の雪上練習は、昨年からテーマとしている「スキーの基本的な技術を洗練させること」をより習熟させるため、遠征の前半はターンとエアの基礎練習に重きを置いて練習をしました。遠征の後半では総合滑走へと少しずつ重きを置き、大会に向けた練習へと移行しました。

 ターンの基礎練習では、整地でのスキートレーニングを中心に行いました。上野コーチと附田コーチがお手本を選手達に見せる。イメージをしっかり作ってから動作に入る。ビデオでその動作を確認する。という流れを繰り返し行い、習熟できるまで反復練習をしました。エアの基礎練習では、オフシーズン中にウォータージャンプで練習してきた技を実際のモーグルコース上のエア台で練習をしました。

 特に最後のコブの終わり方、そしてエア台への進入に重きを置いて練習をしました。その理由として、完成度の高い技をやるためには、正しい姿勢でエア台を踏み切れないといけないからです。エア練習もビデオで動作を確認しながら行いました。結果として、ターンではボディポジションが安定し始め、エア台への進入が安定し、ボディポジションが安定しているため、正しい踏み切りができ、完成度の高い技が行えるようになりました。

 ターンとエアの基礎を習熟させてから、総合滑走の練習へと移行しました。総合滑走練習では、エアの着地、着地からコブへの進入、そしてスタートからゴールまで失敗をせずに滑りきる。総合滑走練習の中で少しずつ難易度を上げて行きながら練習をしました。

 全員ではありませんが、それぞれが今回の遠征で目標としていた課題をクリアすることができました。

 上野コーチは「珍しく天候が安定し、全日程予定通りの練習を十分行えた。標高がかなり高い環境で疲労も抜けにくい中、ケガもなく選手全員最後まで集中し良い練習ができた。個々に滑りのレベルの向上が見られるが、引き続き整地スキーの練習もしていきたい。」

 附田コーチは「私が担当する育成チームでは、合宿前半に整地での基本練習を集中的におこないました。合宿中盤からは整地で練習した技術をコブの中での滑走に移行する練習をおこないました。コブでの滑走に、整地の技術を移行する練習は難しいことですが、選手達は根気強く練習に取り組んでくれました。合宿後半には、エアの練習もおこない試合の滑りに近い状態まで練習することができ内容の濃い合宿になりました。」

 伊藤みき選手は「私にとっては、オフシーズン2回目の雪上合宿でした。オーストラリア合宿ではエア練習を中心に行い、今回のスイス・ツェルマット遠征ではターン技術の向上に重きを置いて取り組みました。私にとって2年ぶりのツェルマット遠征で、久しぶりに標高の高い場所でのトレーニングだったので、身体が慣れるのか不安でしたが、スキーをしながら、しっかりトレーニング出来ました。雪上での整地基礎練習、コースの中でのターン技術、エア技術、そして総合滑走練習と、段階を経て、確実に成長を実感出来た遠征となりました。山から帰ってジムトレーニング、夕食後のストレッチ、個別のビデオミーティングと、毎日のルーティーンワークがしっかり組まれていました。私たち選手は、この決められたルーティーンワークの中で集中して取り組む事が出来ました。洗練された環境を作っていただいたコーチ、スタッフ陣に感謝しています。そして今回はジュニア・シニア合同の遠征でしたので、年齢層が豊かで、よりチームジャパンを意識して練習する事が出来ました。これは、これからシーズンを迎えるにあたって、大切なことだったと感じています。一人一人の意識の高さと、年齢、環境を超えて共に強くなっていく環境があり、とても刺激になりました。来るシーズンに向け、更に技術を磨き、チーム一丸となって強い日本チームとなれるよう、シーズンまでの時間を大切にまた頑張ります。」と意気込みを語りました。

 

報告/モーグルコーチ 城 勇太

 

マッターホルンを背に遠征に参加したメンバー全員で