競技

2016/01/28

渡部暁斗選手にジャーナリストたちが賞賛
手首を痛めながらCC完走

 FISのオフィシャルサイトにノルディックコンバインドの渡部暁斗選手(北野建設スキークラブ)がかなり大きな扱いで紹介された。手首を負傷したが、フランス、シューヌーブで行われた大会に出場、その姿勢が賞賛に値するというものだ。

 

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■昨年のワールドカップ札幌大会での渡部 暁斗 選手 (写真:岩瀬孝文)

 

 

フランス・ショーヌーブで先週行われた大会の結果を見る限り、目立っているのは確かにドイツのスーパースター、エリック・フレンツェルの優勝と2位表彰台である。

しかし、土曜日のプレスカンファレンスのの時に、当のフレンツェルやバーナード・グルーバーがジャーナリストと一緒に拍手を送った出来事があった。日本の渡部暁斗が3位にランキングされたのである。優勝者に関しては特に驚きは無いなか、日本チームのキャプテンである渡部が何種目かで2位になり、得意種目で首位、とは言え次の日は3位だったのだが、その活躍は優勝よりも印象的だった。
 ヴァル・ディ・フィエメでのジャンプトレーニングの間、27歳の彼がランディング後に転倒し、スキーがかなりの強さで右手首にあたってしまったのは10日ほど前のことである。このことでワールドカップ直前の5日間練習が出来なかった。というのも、ストックを持つ手首が使えないと、スキーも出来ないからだ。5日後も手首は不安定で痛みもあり、100%回復してはいなかった。渡部はショー・ヌーブ大会に手首の悪化を覚悟で出場するか、休養するか迷ったはずである。

 

「二つの選択肢があったけれども、厳しい方を選びました。結果、表彰台に二回立つことが出来て本当に驚いています。」渡部は自身のインスタグラム(写真投稿サイト)にコメントしている。ジャンプで首位になり(1位と4位)、彼は表彰台に強いこだわりを持ちながら、同時に自分自身とも戦っていた。クロスカントリーを痛む手首を抱えて何とか完走したのだ。

今回のクロスカントリーの順位は16位と25位、普段の彼はもっと速いわけだが、彼のあきらめない精神は特筆するべきものである。リーダーを務め、ゴールを目指す。3位入賞で2回表彰台に立てたのは、彼の大きな夢とこれらの背景があってのことだ。

渡部が大きなアイスパックで手首を冷やしながらプレスカンファレンスで語ったとき、グルバーやフレンツェルは湧き上がった拍手とともに歓声を上げた。ノルディック複合の究極の勝者は確かに、溌剌したタフな選手であり、渡部暁斗が最大の要因であったといえる。“今週のアスリート”に脱帽。手首をお大事に、早く良くなりますよう!