競技
2016/02/05【REPORT 第3次フリースタイル・スロープスタイル遠征】
2016 FISワールドカップおよびFISレボリューションツアー・スロープスタイル アメリカ・マンモスマウンテン大会参戦
2016年1月22日~24日にアメリカのマンモス・マウンテンで開催されたワールドカップ・スキースロープスタイルと、ワールドカップ後の26〜27日に行われたFISレボリューションツアー・スキースロープスタイルに、佐々木玄選手、樋口永悟選手、桐山菜々穂選手の3名が参戦した。コースはジブが3つ、ジャンプ台が3つ、計6つのフィーチャー(構造物:ジャンプ台やレールなど)が設置されたコースであった。ワールドカップのコースは各アイテムのサイズが大きい上に、それぞれの設置間隔が短いのがその特徴で、ここマンモス・マウンテンのコースはオリンピックで使用するコースフィーリングに近く、フィーチャー間の間隔が狭いコースだった。
ワールドカップの成績は佐々木選手49位、樋口選手63位、桐山選手16位という結果であった。今大会は公式トレーニング時には多量の雪が降り、トレーニング日が1日に短縮され、さらに当日は雪が横にふりつけるほどの強風が吹きすさぶ悪天候であった。派遣された3名の選手はフィーチャーが通常練習しているものよりも大きかったことと強い風の影響から、実力を十分発揮することができなかった。しかしこのような状況でもトップの選手は安定したライディングを行っていることから、今後は天候に左右されることなく自分の演技を行えるよう、悪天候の中でのトレーニングをより多く行うこと、そしてワールドカップレベルと同じ大きいサイズのジャンプ台でトレーニングを増やす必要があることを強く感じた。
ワールドカップの後に行われたレボリューションツアーの成績は、佐々木選手は46位、桐山選手は5位であった。佐々木選手はダブル系のエアを左右行うことができ、なおかつ3回連続して行うことができるという、世界トップレベルの高い難度の技を演技できる数少ない日本人選手である。本大会では佐々木選手、桐山選手ともに公式トレーニングから調子が良く、決勝進出は確実と思われた。しかし佐々木選手はダブル系のエアを3連続して行ったものの、予選2本ともに最後のエア台での着地でミスが響き、予選を通過できなかった。桐山選手は決勝進出者が5名のところ、5位で決勝に進出した。決勝ではジャンプ台でのエア演技でグラブが不十分となり、5位であった。世界で女子選手が勝利するためには、左右両方向の回転とグラブが求められていることから、今後この課題を乗り越えるようトレーニングを重ねていく。
この遠征を通してそれぞれ明らかになった課題を、今後の大会へ向けていかに克服するかが次に向けて成長するための鍵になる。具体的には悪天候時のパフォーマンス−特に風に対する対応を改善すること、そしてグラブなどの細かな動きを正確にジャッジに見せる演技をすることが課題となる。今後の平昌オリンピックのテストイベントとして2月に韓国で行われるワールドカップ遠征で、課題の成果をはかりたい。
報告/スロープスタイルコーチ 白川 大助