競技

2016/02/22

【REPORT 第4次フリースタイル・スロープスタイル/ビッグエア遠征】
ビッグエア種目のワールドカップが初開催、日本選手が初参戦

2016 FISワールドカップ・ビッグエア種目

アメリカ・ボストン フェンウェイパーク(FENWAY PARK)大会参戦

 

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 2016年2月12日にアメリカのボストンの野球場(FENWAY PARK)で開催されたワールドカップ・ビッグエア大会に、佐々木玄選手、高橋佳汰選手(ともに尾瀬スノースポーツクラブ)の2名が参戦した。初めてのワールドカップは山に囲まれたスキー場ではなく、ボストン レッドソックスの本拠地である、街の野球場に作られた特設会場で行われた。ボストンの街はこの時期マイナス6度~8度の寒さで、人工降雪機を用いて作ったジャンプ台は、カチカチのハードコースとなっていた。そのため選手の演技は、予想されたトリプル回転の技ではなく、ダブル回転の技が中心となった。

 

 参加選手の成績は高橋選手27位、佐々木選手30位という結果であった。今回の大会は生中継のLIVE放送があることと、街中の特設会場という特性から、公開練習は1時間15分という短いものだった。また先にも述べたように雪がカチカチにハードパックされており、着地に参加全員が苦戦していた。このようなトレーニング時間の制約と雪のコンディションから、参加者全員に上位に食い込むチャンスがあった。また今回のビッグエアの採点では高さ、グラブの長さ、着地の姿勢を審判員は厳格に見ていた。そのためちょっとしたミスであっても点数が伸びない、非常にシビアな戦いになった。このようにワールドカップにおける採点基準を理解できたことは、今後の強化にとって大きな収穫である。参加した2名の選手は、着地のミスとグラブのミスが大きく響き、70点台中盤の得点であった。決勝に残るためには87点から88点の得点が必要で、演技では着地を完璧に決めた上に、エアのスタイルや難易度でも優れていることが求められることが、この大会から分かった。

 

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 このビッグエア種目は、日本人選手が男子は2009年にカナダで開催された国際競技会で、女子も日本で開催された国際競技会で優勝している種目で、日本選手が世界で勝てない種目ではない。さらにこれまでに多くのビッグエア大会が日本で開催されていたこと、面積が狭いという日本特有のスキー場の環境においても、ビッグエア設置する場所を確保できる可能性は高い。これらのことからこのビッグエアという種目は、今後も日本選手の活躍が期待できる種目である。

 今回参加した高橋、佐々木の両選手は、トップ選手が集まる海外でのビッグエア大会には初参加であった。今後はこのようなレベルの高い世界トップクラスの選手が集まる大会に参加し、経験をもっと積むことで上位に食い込めると感じた。技術の課題はクリーンな着地をどう作って行くか、長いグラブを難易度の高い回転にどのように入れるか、この2つがポイントである。

 今回ビッグエア種目が、とうとうFISワールドカップ種目となった。今後オリンピック種目となる可能性を視野に入れながら、スロープスタイルと並行して選手の育成を考えて行きたい。世界大会を優勝している経験もあるプレーヤーがいるので、その意見も聞きながら今後につなげたい。

 

 

報告/スロープスタイルコーチ 白川 大助

 

 

 

<大会結果>

大会:フリースタイル・ワールドカップ ボストン大会(アメリカ)

種目:ビッグエア

日時:2016年2月12日(金)

会場:ボストン・アメリカ

天候: 晴れ 気温:-6℃

 

<成績:男子>

高橋 佳汰 (尾瀬スノースポーツクラブ) 27位

佐々木 玄 (尾瀬スノースポーツクラブ) 30位