総務
2017/05/22【REPORT】SAJ SNOW AWARD 2017開催
最優秀選手賞は髙梨沙羅選手が受賞
2016/2017シーズンに世界の舞台で活躍した選手、その活躍を支えてきた方々を表彰すると同時に、スキー界の発展・充実を目的とした「SAJ SNOW AWARD 2017」が18日、東京・白金の八芳園で盛大に開催されました。
会場には選手、チーム関係者、スポンサー各社、メーカー関係者など約450人が参加。表彰のほか選手の貴重なサイン入りビブのオークションなどもあったほか、「ユーミン」こと松任谷由実さん、ゴルフ界のレジェンド、青木功さんなど著名人が来場したこともあって、会場内は熱気ムンムンの大盛り上がりでした。
主催者を代表して北野貴裕SAJ会長のあいさつ、来賓を代表してスポーツ庁次長、高橋道和様のごあいさつ、公益財団法人日本体育協会副会長、岡崎助一様のごあいさつ、公益財団法人日本オリンピック委員会専務理事、平岡英介様の乾杯の音頭で「SNOW AWARD」は開宴しました。
選手の表彰の前に、各方面から功績のあった方々の表彰が行われました。「ベストパートナー賞」は選手が世界で戦うために長年協力していただいている企業・団体に贈られる賞で、受賞したのは1976年(昭和51年)から海外遠征用にオフィシャルカーを提供いただいている株式会社SUBARU様。出席した専務執行役員・国内営業本部長の細谷和男様からは「SUBARUは40年以上の長きに渡りオフィシャルカーを提供してきましたが、その活動が認められたことを大変うれしく思います」とお言葉をいただきました。
続いて日本のスキー競技の発展に寄与された人物・団体に贈られる「SNOW競技功労賞」は、IOC(国際オリンピック委員会)名誉委員であり、特定非営利活動法人「日本障害者スキー連盟」会長である猪谷千春氏が受賞された。猪谷氏は敗戦の色濃く残る1956年、コルティナ・ダッペッツォ(イタリア)で開催された第7回冬季オリンピックで、日本の冬季オリンピック史上初のメダリスト(銀メダル)となった人で、アルペン競技で唯一オリンピックのメダルを獲得した選手。「60年以上前の私の記録がまだ破られていないのは残念。2018年の平昌五輪ではぜひ私を越えてほしいと思います」と受賞のあいさつ。
社会現象ともなった映画、『私をスキーに連れてって』の主題歌である「サーフ天国、スキー天国」は空前の大ヒットとなり、今も苗場スキー場でコンサートを行うなどの功績が認められた歌手の松任谷由実さん、音楽プロデューサーの松任谷正隆さんが、「SNOW 文化功労賞」を受賞されました。受賞後、「雪は魔法使い。これからも魔法の国にたくさんの人をいざなって幸せになっていただきましょう」とあいさつした由実さん。会場から大きな拍手と歓声があがりました。
最後に、ウィンタースポーツ界における長年の功績を称えた「名誉功労賞」を、SAJ会長やJOC会長を歴任し、1998年長野五輪の開催に尽力した堤義明氏が受賞しました。長野五輪のゴールドメダリストである里谷多英さん、オリンピック5大会連続入賞を果たした上村愛子さんがこれらの賞のプレゼンターを務め、これも来場者の間で話題となりました。
古川年正専務理事の競技各チームの報告の後、2016/2017シーズンに活躍した選手の表彰に移り、各チームで顕著な成績を残した選手たちとナショナルデモンストレーターが表彰されました。
◆受賞者一覧
賞名 | 氏名・団体名 |
ベストパートナー賞 | 株式会社SUBARU |
SNOW競技功労賞 | 猪谷千春 |
SNOW文化功労賞 | 松任谷正隆・松任谷由実 |
名誉功労賞 | 堤 義明 |
優秀選手賞
※選考基準: 2016/2017シーズンのワールド カップ及び世界選手権において 8位以内の、各競技・種目に おいてもっとも優秀な成績を 収めた男女各1名、及び 技術選優勝者。女子ジャンプのみ 特例により2名選出 |
葛西紀明(ジャンプ) ※欠席 |
髙梨沙羅(ジャンプ) | |
伊藤有希(ジャンプ) ※欠席 | |
渡部暁斗(コンバインド) | |
吉田圭伸(クロスカントリー) | |
石田正子(クロスカントリー) | |
湯淺直樹(アルペン) | |
堀島行真(フリースタイル・モーグル) | |
小野塚彩那(フリースタイル・ハーフパイプ) | |
田原直哉(フリースタイル・エアリアル) | |
梅原玲奈(フリースタイル・スキークロス) | |
竹内智香(スノーボード・アルペン) | |
平岡 卓(スノーボード・ハーフパイプ) | |
松本遥奈(スノーボード・ハーフパイプ) | |
鬼塚 雅(スノーボード・ビッグエア/スロープスタイル) | |
丸山貴雄(ナショナルデモンストレーター/技術選優勝) | |
栗山未来(ナショナルデモンストレーター/技術選優勝) | |
NEXT HERO/HEROINE賞 | 堀島行真 |
最優秀選手賞(MVP) | 髙梨沙羅 |
選手たちは全員、タキシードやドレスに身を包み、スキーウェアしか見たことがない来場者たちからは、選手が入場するたびに拍手と歓声があがっていました。各選手の表彰後、北野会長から「最優秀選手賞」の発表があり、男女を通じたジャンプのワールドカップ最多勝利53勝に並び、日本選手史上最高となる4度目の総合優勝を果たした髙梨沙羅選手が選ばれました。「来年の平昌五輪で金メダルを獲るための練習をします。競技を終えた後に、素晴らしい人間になれるよう努力します」と力強く受賞の弁を述べました。
将来の活躍が期待される「NEXT HERO賞」には、アジア冬季競技大会でモーグル、デュアルモーグルで2冠を達成し、直後に開催された世界選手権大会でも日本男子では初となる金メダル2個を獲得して大ブレイクした堀島行真選手が受賞しました。限りない可能性を見せた堀島選手はまだ19歳の大学生。詰めかけた報道陣の多くは、髙梨選手に次ぐ、まさに「ネクストヒーロー」として堀島選手のインタビューに殺到しました。
チームの合宿のため欠席となったジャンプの葛西紀明選手と伊藤有希選手からはビデオメッセージが寄せられ、ともに「大変名誉ある賞をいただき感激しています。オリンピックではこの賞に恥じない成績を残したいと思います」とのメッセージを寄せてくれました。
各賞の表彰後、スキーに造詣が深く、現在スキー議員連盟会長を務める遠藤利明様の「選手の素晴らしい活躍に感動しています」とごあいさつをいただきました。
各賞の表彰の後に、髙梨選手、渡部選手、堀島選手、竹内選手のサイン入りワールドカップビブがオークションにかけられ、予想を大きく越える金額が飛び出して会場を大いに沸かせました。驚きの金額が飛び出したのは髙梨選手のビブ。蔵王大会での首位に立っていることを表すイエロービブで、蔵王大会は髙梨選手が記念すべきワールドカップ初優勝を飾った思い出の地。最初からセリは数人によってヒートアップ、最終に10万円という驚きの金額が飛び出し、当の髙梨選手も驚きを隠せない表情を見せていました。
その後、荻原健司さんや次晴さんのご兄弟をはじめ、オリンピックなどの世界大会で活躍したSAJのOB・OGも壇上に上がって選手たちに激励の言葉を送り、最後に坂本祐之輔副会長の中締めで、初の「SNOW AWARD」は成功裏のうちに終了することができました。
平成29年度強化指定選手研修会
選手、コーチ200名が出席
また、このSNOW AWARDに先立って、各競技の強化指定選手、コーチやスタッフ、デモコーチやナショナルデモンストレーターなどが参加した「平成29年度強化指定選手研修会」が行われた。スキー界の現状、選手の強化活動をサポートするためのマーケティングについて、アスリート委員会の発足及び役割について、プロスポーツにおける選手会の役割、そしてSAJ行動規範など、今回出席した選手及びコーチ約200名を対象に、SNOW JAPANに所属する選手として必要な各事項のレクチャーを受けました。研修会は午後1時30分にはじまり5時までびっしり行われ、メモを取る熱心な参加者も見受けられました。
◆SNOW MarketにおけるSAJの役割
皆川賢太郎(SAJ常務理事)
◆SAJ Marketingにおける役割、ルールについて
奥富啓人(SAJマーケティング・広報委員)
◆競技団体におけるアスリート委員会の役割
伊藤華英(日本オリンピック委員会 オリンピックムーブメントアンバサダー、スポーツコメンテーター・スポーツライター)
◆プロスポーツにおける選手会の役割
高野純一(一般財団法人日本プロサッカー選手会事務局長)
◆SAJ行動規範
高山崇彦(SAJ理事・弁護士)