総務

2017/10/03

【REPORT】クロアチア共和国スポーツ庁長官、
ヤニツァ・コステリッチ氏来日。両国のスポーツ発展の懸け橋に

 10月2日、クロアチア共和国のスポーツ庁長官を務めるヤニツァ・コステリッチ氏が訪日され、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)を訪れました。JOCからは竹田恆和会長と齋藤泰雄副会長が応対され、同時に公益財団法人全日本スキー連盟(SAJ)からも北野貴裕会長と村里敏彰理事が同席し、コステリッチ氏との会談に臨みました。

 

 

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左よりSAJ村里敏彰理事、JOC竹田恆和会長、ヤニツァ・コステリッチ氏、ドラジェン・フラスティッチ氏(駐日クロアチア共和国大使)、JOC齋藤泰雄副会長、SAJ北野貴裕会長

 

 

 ヤニツァ・コステリッチ氏と言えば、2000年代前半のアルペンスキー界で一世を風靡した女傑です。FISワールドカップで通算30勝を記録し、3度の総合優勝を達成。冬季オリンピックでは2002年ソルトレイク五輪で3つの金メダルと銀メダルひとつ、2006年トリノ五輪でも金メダルと銀メダルひとつずつを獲得しています。まさに同国を代表するアスリートと言えるでしょう。

 日本のアルペンファンにとっては彼女のお兄さんであるイヴィツァ・コステリッチ氏も思い出深い存在。当時、日本アルペンチームのエースだった佐々木明氏と繰り広げた名勝負の数々は、今も記憶に残ります。2003年に佐々木氏が初めてFISワールドカップの表彰台に上ったときに使っていたスキーは、もともとイヴィツァ氏が使っていたものだったというのは有名なエピソードです。

 イヴィツァ氏も妹のヤニツァ氏に負けずワールドカップ総合優勝を達成するなど、おふたりはまさにアルペン界の最強兄妹でした。

 

 

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 そんなヤニツァ氏は2016年からクロアチア共和国のスポーツ庁長官に就任。同国のスポーツ発展に尽力されています。今回の訪日の大きな目的は日本のスポーツシステムを学ぶことだといいます。クロアチアではアスリートのデュアルキャリアのシステムや考え方が確立されておらず、JOCが実施しているアスナビ制度などを参考にしたいとのこと。また、2020年東京五輪に向けてテストイベントなどを含む事前合宿の開催も希望されていました。

 また、JOCからは、各国のオリンピック委員会間で選手や指導者の交流事業を行っており、JOCとパートナーNOC関係にあるクロアチアオリンピック委員会との間で、その活用も検討していきたいというお話があり、お互いのスポーツ界の発展に向けて、非常に有意義な話し合いとなったようです。

 

 ヤニツァ氏は日本の思い出として1998年長野冬季五輪を挙げられました。ダウンヒル競技の前日に天候が崩れて2メートル以上の降雪があったものの、翌日はコースがきれいに整備され、最高のコンディションだったと振り返ります。その良き思い出が、今後の日本とクロアチア共和国のスポーツ親善につながることを期待したいと思います。