スポーツ界における暴力行為などの憂える事象に対し、(公財)全日本スキー連盟としても、特に、オリンピックを控える今、改めて周知徹底をするものです。
暴力行為は、スポーツそのものを否定するものであります。世界で戦う選手はもとより、未来ある子供たちにとっても大きな問題です。その将来、選手を目指す子供たちの夢や希望を奪ってしまうのが暴力です。
どのような理由があれ、身体的・精神的暴力行為、ドーピングおよび薬物乱用、セクハラなどは決して許されるものではありません。
下記にガイドラインを示し、スキー界の末端に至るまで暴力行為根絶に向けた決意を表明するものです。
記
ガイドライン
1.身体的・精神的暴力行為について
(1)組織運営またはスポーツを指導するに際に意見の相違などが生じた場合は、互いに話し合い、相手の人格を尊重して相互理解に努めること。
特に監督・コーチ等の指導的立場にある者は、競技者への指導の際、暴力行為と受け取られるような行いには十分留意すること。
(2)スポーツを行う際、または、指導する際に問題解決の手段として、暴力行為(兆区説的暴力、暴言、脅迫、威圧等)を行うことは、厳に禁ずる。
2.身体的及びセクシャルハラスメントについて
(1)安易に性的言動、表現を行うことは、厳に慎むこと。
(2)親しみの言動、表現であっても、個人によって受け止め方に違いがあることを認識すること。
(3)本人に悪意が無い場合でも、その言動によって相手が不快に感じた場合は、セクシャルハラスメントになることを認識すること。
(4)性的言動、表現を受けて不快にかんじた場合は、無視せずに相手に対して「不快である」旨を、はっきり意思表示すること。(注意:無視した場合は、「受け入れている」と相手に誤解される恐れがある。)
3.アンチドーピング及び薬物乱用防止について
(1)競技能力を高めるためにドーピングを行うことは、フェアプレーの精神に反するばかりではなく、競技者の健康害するものであり、絶対に行わないこと。
(2)本人にドーピングを行った意識が無くても、摂取した薬品などによっては、ドーピングの対象薬物が含まれている場合もあるため、競技者及び指導者は、ドーピングに関する知識を十分に深めること。
(3)麻薬や覚せい剤など薬物の使用は、反社会的な行為のみならず、使用した人間の人格も破壊するものであり、いかなる目的であっても絶対に使用しないこと。
4.役員及び監督・コーチ・審判員等の指導的立場にある者並びに競技者等の在り方について相手の立場を尊重するとともに、自分の置かれている立場を自覚して責任ある行動に努めること。
(1)役員及び監督・コーチ・審判員などの指導的立場にあるもの並びに競技者等は、上司と部下、先輩と後輩などの上下関係を利用し、立場の弱い者に対して、人道的に反する行動や行為を強要しないこと。
(2)役員及び監督・コーチ・審判員などの指導的立場にある者は、その立場、役割、権限などの範囲を超えた精神的・身体的暴力行為等をスポーツ競技会・行事等に携わる関係及び競技者に与えないこと。
(3)プライバシー(個人的人権)の問題については、役員・監督・コーチ・審判員等指導的立場にある者及び競技者等がそれぞれ充分に配慮すること。
5.一般社会人として、ガイドラインに示す対象者は、特に、競技会等スポーツ活動に関わる時以外の日常生活においても社会規範としての慣習、道徳、法律を強く意識・励行し社会秩序の維持に努めるものとする。
((公財)日本体育協会「倫理に関するガイドライン」:一部引用)